2016年8月10日 更新

土地の相続を生前にすませておくと何が違ってくるの?

一般的に土地の相続は亡くなった後に行いますが、遺産相続トラブルを避けるために、また相続税と贈与税を比べて有利な方を選ぶために、通常の相続の代わりに生前に土地を譲渡することがあります。この生前贈与と一般的な土地の相続ではどんな点が違うのでしょうか?

土地の生前贈与の大きな二つのメリット

 (9984)

相続税対策において最も重要となるのが「生前贈与」です。生前贈与とは、被相続人が存命の間に自身の財産を自身の意思によって他人に贈与することです。生前贈与を行うことで、将来相続が発生した際の「相続財産」の総額を減らすことができるため、結果として相続税を大幅に節税することができるのです。これが生前贈与のメリットです。
生前贈与は土地以外にも建物などの不動産や、株式、現金、貴金属などあらゆるものが対象です。
そして、二つの大きなメリットがあります。

1. 自分の財産を相続してほしい人に確実に財産を引き継ぐことができる
2. 贈与税の特例制度を利用することで、相続税より少ない贈与税で財産を引き継げる場合がある

デメリットもよく考える必要が

また、デメリットについても二つ挙げておきます。

1. 土地の場合は特に、生前贈与の手続きが複雑で難しい場合が多く、
  結果的に司法書士や税理士などに依頼すれば、まとまった額の報酬支払いが必要になる
2. 土地が生前贈与対象だと基礎控除制度(現行では年間110万円の贈与まで非課税)が使いにくく、
  相続税が後払いになる相続時精算課税制度でも納税額が増える可能性がある
生前贈与をしたからといって必ず得をするとも言い切れないため、どちらを選択するのか慎重に判断しましょう。

デメリット
• ①不動産と土地の市場価値によって高額な贈与税が課せられる
• ②不動産取得税などの費用がかかる

直系尊属や夫婦間の贈与税の特例措置いろいろ

Sally Hemings - Wikipedia, the free encyclopedia (9934)

土地の贈与と税金の関係については、特例制度や課税に関す細かい規定がいろいろあります。
国税庁のHPにあるタックスアンサーなどでも詳しく説明されています。

贈与税に関する主な特例は次の通りです。
・親や祖父母からの住宅取得等資金贈与の非課税
・夫婦間での居住用不動産贈与の配偶者控除
・相続時精算課税選択の特例
No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

 平成27年1月1日から平成31年6月30日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金を自己の居住の用に供する家屋の新築若しくは取得又はその増改築等の対価に充てて新築若しくは取得又は増改築等をし、その家屋を同日までに自己の居住の用に供したとき又は同日後遅滞なく自己の居住の用に供することが確実であると見込まれるときには、住宅取得等資金のうち一定金額について贈与税が非課税となります(以下、「非課税の特例」といいます。)。

結婚20年以上の夫婦間では住宅資金が控除対象

No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

 婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。

特例を受けるための適用要件
(1) 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
(2) 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること

「相続時精算課税制度」は「得」なのか「損」なのか?

「相続時精算課税制度」は、
生前贈与だけど、財産総額2,500万円まで贈与税は非課税、相続税は後払い、という制度です。

土地の生前贈与を行う多くの方が活用を考えるようです。
贈る側が60歳以上、受け取る側が20年以上の直系尊属が条件ですので、
親から子か、祖父母から孫のケースがほとんどです。

メリットは、
1. 土地に賃貸物件があると、贈与後の家賃は相続税の積算額から外れる
2. 贈与後に土地が値がりした場合も、贈与時の評価額で相続税を計算する などです。

デメリットは、
1. この制度を使うために届け出の必要があり、取り消せないので、
  あとから「やっぱり一年110万円の基礎控除を利用します」とは言えない
2. 手続きが複雑なうえ、特例の見逃しなど活用方法を誤ると
  最終的な税額が通常の相続よりも高くなることもあるので、
  専門家に相談するなど注意が必要 などです。

制度を利用するかどうかは、
将来的に相続税で払う税額と、生前に贈与税で納税する金額との比較も重要です。
無税での贈与枠を超えて超過分の贈与税を払っても、相続税で払うより少ない場合もあります。
21 件

KEYWORDS

WRITER

pane pane

RELATED POST関連する記事

生前に親から土地を相続したけど「名義変更」はどうすれば?

生前に親から土地を相続したけど「名義変更」はどうすれば?

親から土地を生前贈与として相続したけれど、名義変更の仕方が分からない・・・。そのような悩みを解決するお手伝いをしたいと思います!生前贈与での名義変更について記事をまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
mina.kms615s |141view
世田谷区で【がけ地】の土地を所有~相続税評価について~

世田谷区で【がけ地】の土地を所有~相続税評価について~

世田谷区は住宅地の地域が多く、土地の特徴に「がけ地」があります。そんな世田谷区で土地などの相続税評価額を計算するとき、がけ地がある場合評価額が少し変わってきます。今回、評価額を変えるがけち補正率についてご紹介します。
merrisa8209 |162view
港区の【相続税対策】は賢い≪土地活用≫がポイント!

港区の【相続税対策】は賢い≪土地活用≫がポイント!

企業のオフィスビルが集中する港区は、夜間人口に比べて日中の人口が圧倒的に多いエリアです。港区の不動産相続は、土地の需要が多い港区の特徴を生かした相続税節税が可能です。このまとめを参考に、自分にマッチした相続税の節税方法を見つけてください。
depo0377 |44view
千代田区で【土地の相続】を不公平感なく行う方法まとめ

千代田区で【土地の相続】を不公平感なく行う方法まとめ

千代田区で土地の相続を受けるとき、手続きが面倒だからと相続人全員の名義で相続する土地を登記するケースが少なくありません。そこで今回、土地の相続は共同登記ではなく土地を分筆し、それぞれの単独名義で登記すべき理由をまとめます。
almond956 |45view
東京23区内の土地を相続する際のポイント「地目」とは?

東京23区内の土地を相続する際のポイント「地目」とは?

相続問題で一番大きなポイントとなるのは「土地」と「税金」です。これらは切っても切れない結びつきを持っており、ちょっとした知識や方法を知っているだけで非常にお得になることがあります。ここでは23区で相続問題に役立つ情報をご紹介します。
つやまん |55view